3月28日、Twitterのトレンド一位に「ハンタウイルス」という名前が挙がっていました。

ハンターウイルス?コロナだけでも大変なのに次!?

急にトレンドに上がってきてビックリしたよ
ツイッターで拡散されている内容をまとめるとハンタウイルスの特徴は次の通りとなります。
- 中国雲南省で発生した第二のウイルス
- エボラに似ている⇒致死率50%以上?
- 感染から3時間で死に至る
- 中国の金融関係者が1137人感染、42人重症
- アメリカのTwitterトレンド1位?
ハンタウイルスはコロナウイルスに続く第二のウイルスになるのでしょうか?
結論からお伝えすると、ハンタウイルスは実在しますが今回拡散された内容はほぼデマです。
それでは詳しく解説していきます。
ハンタウイルスとは?

ハンタウイルスとはどんなものなのでしょうか?
ハンタウイルスは人に急性かつ高熱を特徴とする疾患を引き起こす。それらは、症状の特徴から腎症候性出血熱(HFRS)とハンタウイルス肺症候群(HPS)と呼ばれ、両疾患を合わせてハンタウイルス感染症と総称する。
ハンタウイルス肺症候群(HPSは、発症後急速に呼吸困難を起こして高い死亡率(当初は50%以上)を示す急性の熱性疾患として、1993年、米国南西部の砂漠地帯で突然出現した。
出典:ハンタウイルス感染症
簡単に言えばネズミを介して感染する感染症の一種のようです。
日本国内での発症例はなく、中国と韓国では年数百件発生しているようです。
一番重要なのが人から人への感染はしません。
また、中国と韓国には治療薬が市販されているそうです。

。。。あれ?

ではTwitterで言われていたハンタウイルスに対する特徴についてひとつずつ解説していきましょう。
ハンタウイルスの拡散された内容について解説

では説明していきましょう。
中国雲南省で発生した第二のウイルス
中国雲南省で発生した新しいウイルスなのでしょうか。
半分本当のようです。
3月24日に、中国雲南省で1名ハンタウイルスに感染して死亡したとのニュースがありました。
中国の国営通信、環球時報(Global Times)のニュースで、同国西部の雲南省でハンタウイルスが確認された人物1人がビジネス旅行で山東省に向かっていた途中にバスの中で死亡したことが報じられた。
ネズミまたはネズミの尿、その吐いた物や便に触れた人に感染するハンタウイルスは、「ハンタウイルス肺症候群(HPS)」という病気を起こす。人から人には感染しないこのウイルスには、流行の危険はない。
【中国】 ハンタウイルスによる死者発生が新たなウイルス流行の懸念を呼ぶも、人から人へは感染せず

流行の危険はないってハッキリ書いてますね。
エボラに似ており致死率は50%以上
これは正確な情報です。
HPSでは発熱と同時に咳が出始め、その後、胸腔中に浸出液が急速に貯留して呼吸困難とショックによって高い死亡率が報告されている(50%以上)。
出典:ハンタウイルス感染症
致死率も50%以上で、同じ出血熱のエボラと類似している点が多いようです。

でもエボラと異なる点は「治療薬あります」
感染から3時間で死に至る
これは誤った情報です。
ハンタウイルスの潜伏期間は数日~6週間、多くは2~3週間です。
人におけるハンタウイルスの潜伏期は数日から6週間とされるが、多くは感染から2週間から3週間で発症する。
出典:ハンタウイルスWikipedia

3時間で死に至ることはないでしょう。
中国の金融関係者が1137人感染、42人重症
これは誤った情報です。
中国雲南省の死亡例ではバスに同乗していた32人が検査を受けているのですが、金融関係者が1137人も感染というニュースソースはありませんでした。

そもそもなぜ金融関係者「限定」で1137名なのでしょうか。。。
アメリカのTwitterトレンド1位
これは正しい情報です。
確かに3月24日の21時頃、トレンド1位にHantavirusがありました。


これもデマが広がっただけのようですぐに鎮静化しています。
まとめ:ハンタウイルスは流行していない

ハンタウイルスは流行していません。
3月24日にアメリカ版Twitterでデマが拡散、3月26日に日本のTwitterでYoutube付きのツイートが拡散され広まった流れとなっています。
デマを見抜くのは難しいですが、今回の情報でもよく読むとおかしな点が沢山あります。
- 3時間で死に至る⇒感染症じゃなくてもう毒やん。。。
- 金融関係者1137人が感染⇒金融業界で何が。。。
- 拡散している人はどんな人たち?⇒ああ。。。
なにが正しい情報なのか、ひとつひとつ調べていけば真実は見えてきます。
情報リテラシーを磨いていきましょう。